2018/02/21

インドと日本の関係から集団的自衛権を考える

 以下のことは、授業で話した内容です。
 インド洋には、日本の生命線のシーレーンが通っていますが、それを押さえつつ、インドも押さえるという中国の「真珠の首飾り」戦略が展開されています。
 インドは中国によって、陸はチベット高原を超えてヒマラヤ山脈の高度戦略有利地点から囲まれ、海洋はすでにパキスタン・スリランカ・バングラデシュ・ミャンマーと、インドの頸を縛るような囲まれ方をしています。

 最近ではさらに大々的にユーラシアを一帯一路で大勢力圏を築こうとしているわけですから、インドは必死にこの囲い込みを破ろうとしており、当然その際の良きパートナーとなるのは日本なのです。民主主義で、地政学的にも中国を取り囲める位置にあり、歴史観の共有も含めて利害はものすごくしっかりと合致しています。
 ですが、インドは日本と組むことに、現状としてためらいがあるのです。なぜって、インドは日本と組んだら、十全に日本と一緒に戦えますが、日本は一部分しか組んでくれないからです。現状の憲法体系では、そうなってしまう。
GDPが多い国(日本)が少ない国(インド)を助けず、小さい方の国が大きい方を助ける、いまだこういう理不尽な現状では、インドが組むことをためらうのは仕方ないでしょう。
 では、今後の日本はどうしますか? インドと組んでお互いに防衛することができるようにするのと、今のまま個別的自衛権のままで単独で防衛するのと、どちらがいいですか? と聞いたら、80%の若い衆が「お互いに助け合える道」を選択しました。
 そう、個別的自衛権だけで守れる時代ではないのです。ちゃんと、自衛権を憲法に明記し、集団的自衛権も十全に認めていきましょう。
投稿者T.S