2016/11/21

第45回 歴史講演会開催報告

 人生50年と言われた当時、50歳から天文、暦学を学び、55歳で全国の測量を始めた伊能忠敬。何故、こんな前人未踏の大事業を成し遂げることが出来たのでしょうか。
 もとより天賦の素質、才能を受けて生まれた非凡の人物でしたが、その生涯は愚直と言って良い誠実さと正直さと謙虚さ、並びに根気と努力と忍耐、辛抱に貫かれ、何よりも世の為人のためにお役に立ちたいという崇高な使命感がありました。それからもう一つ、当時ロシアが千島・樺太を侵略しつつある北辺の危機を憂慮し、日本国の独立、安全を護り抜かんとする日本人としての強固な愛国心、大和魂があったからこそでした。
 いずれにせよ、日本と言えば、今は誰もが弓なりに曲がった美しい日本列島の形を想像できる喜び。それが出来るのは、今から200年前に伊能忠敬が足かけ17年の歳月をかけて日本列島を足で歩き、正確な我が国の地図を作成したからだったことを学び、改めて先人の果たした大偉業に感謝すると共に先人の心血を注いだ努力のお陰で今日の日本がある事を感謝した次第です。
 今回は、小学生が8名参加してくれましたが、伊能忠敬の生涯、人物を通して、子供達の心に向学心、向上心は勿論、誠実、正直、謙譲、努力、根気の大切さを伝えることが出来たとしたら、開催した意義は大きかったと言えるのではないかと思います。



 
 
富岡八幡宮大鳥居傍らにある伊能忠敬像