2025/05/06

菅田代表提言 第31回  エリートとは

菅田代表提言 第31回

エリートとは

令和7年5月6日


 「エリートとはどんな人」と問えば、東大法学部卒の財務省官僚とか、有名大学卒で、知的な仕事に携わっている人達、という答えが返って来そうです。これは間違ってはいないと思いますが、それらの人達が真のエリートかと言えば疑問符を付けざるを得ません。何故なら彼らには、権力者の責任感、義務感があまり感じられないからです(ノーブレスオブリージュ) 。


 明治維新の頃、西欧に留学した日本人達は猛烈に学びました。それを見ていた西欧人が気を遣って

「体を壊すよ」と言うと、

「私が1日怠けると日本の進歩が1日遅れるのです」と答えたそうです。これが真のエリートの言葉ではないでしょうか。

 イギリスには現在も貴族がおり、社会的特権を持っていますが、ノーブレスオブリージュ精神を保持しています。第二次世界大戦が始まると、真っ先に志願したのが貴族の人達です。戦死率は貴族の方が高かったと言われています。この時は、大学生は皆志願して大学が空っぽになったそうです (アメリカも同様でした)。だから庶民は、貴族の特権を認めているのです。


 翻って現在の日本の政府や財務省を見ると、国民がインフレで困窮しているにも関わらず、減税をやる気なし、増税路線まっしぐらです。そもそも私達が買い物をする時に支払う消費税は、店が一時預かってそれを消費税分として政府に納めていると国民は思っていますが、そんな事は無く、消費税分値上げしているだけのようです。消費税と言う名称がまず誤魔化しで、本来なら売上税とか付加価値税と呼ぶべきだそうです。この税制は中間層を没落させる為に導入されたようです。そして、或る財務官僚の悪知恵で消費税の目的を高齢者福祉に使うということにすれば未来永劫廃止することが出来なくなるとしたのです。勿論ウソです。どこまで国民を騙すのでしょうか。ちなみに自動車産業等の輸出の多い企業は消費税が還付されます。トヨタ自動車は4000億円還付されました。政界と官界に真のエリートが全然いない訳ではないでしょうが、あまりにも少いのです。


 最後に日露戦争時の外務大臣だった小村寿太郎のエピソードを書きます。清国の大物政治家にして身体が大柄だった李鴻章に、

「日本人は閣下のような小柄な人ばかりですか?」と馬鹿されると、小村は

「いや我が国にも閣下の様に身体の大きな男はおりますが、多くは愚鈍の者です。我が国では、『大男、総身(そうみ)に知恵が回りかね』と言う諺がある位で、彼らは仕事が出来ませんので、やむなく相撲取りに仕立てて、生活させております」と切り返しました。李鴻章は返す言葉が無く、すごすごと引き下がったのです。小村はまた日露戦争の講和会議でも、ロシアの大物政治家ウィッテを相手に、堂々と交渉しました。彼は日本人としての矜持と、日本政府の代表者としての使命感を強烈に持っていた人物でしたから、いかなる場面に於いても動揺する事が無かったのです。これぞ真のエリートです。


 ちなみに現在の外務省での禁句は、なんと「愛国心」だそうです。「外務省、土下座ばかりが、上手くなり」真のエリートは土下座はしません。 

菅田拝



 補足説明

※ ノーブレスオブリージュ

社会的地位や財産、権力を持つ者が、「それに応じて社会に貢献すべき責任がある」と考える道徳感。