2015/09/11

宮城県教育委員会教科書採択に思う


  



謹啓 

 実りの秋を迎え、貴方様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 さて、八月二十日、宮城県教育委員会は来年度から使用する中学校歴史教科書に、「育鵬社」の教科書を採択しました。来年度から県立の中高一貫校である仙台二華中と古川黎明中の二校で使用するもので、高橋仁教育長は採択理由を「自国に誇りを持てる内容に加え、多くの歴史的人物が取り上げられている」ことを挙げました。

 今回県教委は、歴史、公民については学習指導要領に基づき、テーマ別に各教科書会社の記載内容や分量を比較対照した「別冊資料」を作成し、歴史上の人物数では育鵬社が一番多かったことも採択理由となりました。県教委が選定資料を作成したことは教科書採択に透明性を与える画期的な取り組みと言えます。

 これは「つくる会宮城県支部」が、各社の教科書を点数化した選定資料の作成を求める請願を県議会に提出し、県議会で請願を採択したことが最大の理由であり、つくる会、県議会の努力の成果だと言えます。

 問題は市町村教委です。県教委は今回の選定資料を各市町村教委にも配付し説明をしています。今年度から市町村教委にも努力義務とは言え教科書採択の理由公表が求められるからです。

 にも関わらず、県内八採択地区では今回も歴史は仙台市が帝国書院、他地区は東京書籍。公民は全て東京書籍でした。何故「帝国」や「東書」なのか。八採択地区の市町村教委は当然説明責任を果たすべきだとわれわれは考えます。


                           宮城ビジョンの会
                                                        代表世話人 菅田彰人