2017/04/07

第46回歴史講演会に際して 昭和天皇を偲ぶ その1

4月29日は「昭和の日」、昭和天皇のお誕生日です。
 昭和の時代は、戦争、敗戦、占領という、わが国史上かつて無い国難の時代でした。にもかかわらず、国家存亡の危機を乗り越えて奇跡の復興を成し遂げる事が出来たのは、一重に昭和天皇のご存在のお陰であったと言えるのです。

 
   昭和天皇の御製 
   爆撃にたおれゆく民のうえをおもひ 
                 戦とめけり身はいかにならんとも
   身はいかになるとも戦とどめけり 
                 ただたおれゆく民をおもひて
   国がらをただ守らんといばら道
                 すすみゆくともいくさとめけり

 国民の命を守りたいとの一心で御聖断を下された昭和天皇。それによって、昭和20年8月15日大東亜戦争は終結しました。
 しかし、占領軍(GHQ)による日本占領は「日本が再び米国の脅威とならない」為に、軍隊は勿論わが国皇室の解体も視野に入れた大変過酷なものでした。そんな中、昭和天皇は9月27日、占領軍最高司令長官マッカーサー元帥にお会いになり、「私は日本の戦争に遂行に伴ういかなることにも、また事件にも全責任をとります。(中略)自分自身の運命について貴下の判断が如何様のものであろうとも、それは自分には問題ではない。構わずに総ての事を進めて頂きたい。私は全責任を負います。」と、全責任を一身に背負われようとされました。マッカーサー元帥はそのお言葉に驚き、そして感動し、「自分が現在の任務についている以上は、断じて日本の国民の中に餓死者を出すような事はさせぬ。」と、食糧供給を請け合い、敗戦後の食糧難の時代に餓死者を出さずに済んだのです。