謹啓
さて、毒を以て毒を制すではありませんが、去る7月28日夜に北朝鮮から発射された大陸間弾道ミサイルには、平和ぼけの日本人もさすがに覚醒された感があります。
弾道弾ミサイルは、高度3,700キロに達し役1,000キロを飛行して我が国のEEZ内の奥尻島沖約150キロに落下しました。つまり、北朝鮮はいよいよ我が国本土は勿論米国本土さえも攻撃する能力を持ったということです。これには自民党の二階俊博幹事長でさえ「もはや危機は概念ではなく、肌で感じられる現実と言わねばならない」と危機感を露わにし、防衛力強化の予算についても「財政がどうだこうだといっている場合ではない。国民の生命と財産を守ることが政治の要諦だ」と述べ、ミサイル防衛強化や避難シェルターの配備など、国民保護の措置を執るべきとの認識を示しました。
つまり、北朝鮮のミサイル発射という毒のお陰で日本国民はやっと平和ぼけという毒から、国防意識に目覚めてきたのです。その意味では、北朝鮮によるミサイル発射実験は我が国にとっての「黒船」であり、「太平の眠りを覚ます蒸気船」の役割を果たしていると言えます。
ところで、この北朝鮮ミサイル発射実験を一番苦々しく思っているのは、実は朝日新聞であり、護憲野党ではないでしょうか。何故なら、護憲メディアや護憲野党は、国民が「太平の眠り」から覚めて貰いたくないからです。いつまでも今の憲法のままで、国民には平和ぼけでいて欲しいからです。だからこそ、憲法改正を実現しようとしている安倍政権を、今や必死になって全く関係の無いスキャンダルで潰そうとしているのです。
加計学園問題は、明らかに朝日新聞が「火のない所に煙を立てた」虚偽と印象操作による「フェイク報道」と言えるでしょう。国家戦略特区諮問会議の八田達夫アジア成長研究所所長は、インターネットの『ダイヤモンドオンライン』に、「『加計学園の優遇は無かった』内部からみた獣医学部新設の一部始終」という記事を掲載し安倍首相の関与を完全否定しています。「一,諮問会議で議論されるまでに首相が選考に介入する余地は一切無かった。二、加計学園が初めて申請したのは、安倍氏が政治的に最も弱かった福田内閣(2007年)の時だ。その後、15回申請し、その度に文科省に理由も無く跳ね返され続けた。三、理事長が安倍首相の友人であったことを私は知らなかったし、知っていた規制改革関係者は殆どいなかったのではないかと思う。」と。「行政が歪められた」のではなく、「面従腹背」を座右の銘と公言し、教育行政のトップでありながら夜な夜な風俗店に出入りしている前川氏によって「行政が歪められた」のであり、本来正されるべき前川氏の不適切な行動は全く問題視されず、問題の本質である獣医学部新設と省庁の既得権益、そして天下りとの関連性を問題にせず、未だに加計学園と安倍首相の疑惑を追及するゴシップ週刊誌と化した朝日新聞の報道に「ジャーナリズムが歪められた」と言えるでしょう。
しかしながら、日本の安全保障は喫緊の課題です。憲法改正の主要テーマである9条の議論、自衛隊明記の議論は国民が真っ正面から取り組むべき課題です。その意味で、宮城ビジョンの会が9月9日に開催する「憲法を考える県民の集い」は、最前線の問題について考えを深める好機です。是非参加をご検討下さい。
代表世話人 菅田彰人