国会では、「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が審議されています。テロ組織や暴力団などの組織的犯罪集団が、重大な犯罪を計画しメンバーのうちの誰かが犯罪の準備行為を行った場合などに、計画段階で犯罪を未然に防ぐ為の法案です。
かつて、浅間山荘事件や地下鉄サリン事件などで多数の犠牲者を出し、今や世界各国でテロ事件が多発して一般国民が被害にあっている中で、我が国としてもテロや組織犯罪から未然に国民の安全を守る事は当然のことであり、法案の早期成立は国会の義務と言えます。
ところが、野党はまたもや異常な事を言って反対しています。「法案は日本を監視社会にするものだ」「罪の無い人に嫌疑がかけられる可能性がある」「一般人も対象になる」と。
国会では安倍総理が「処罰対象は組織的犯罪集団に限定しており、正当な活動を行っている団体が監視や捜査の対象になる事はない」と断言しています。
しかし、「一億総監視社会」「集まってカレーを作っただけで逮捕される恐れがある」などと不安を煽っています。
この法案が成立して困るのはテロ組織、犯罪組織だけです。必死に法案成立を阻止しようとしている野党の姿は、あたかも自分達が捜査対象になる事を恐れているかのように映ります。
捜査共助や犯罪情報提供などの国際協力を進める為、TOC条約(国際組織犯罪防止条約)があります。この条約には、国連加盟国193ヶ国のうち187ヶ国が既に加盟しています。
加盟していない11ヶ国は、ブータン、イラン、コンゴ、南スーダン、ソマリア、パラオ、ツバル、ニューギニア、ソロモン諸島、フィジー、そして日本です。
G7(先進7ヶ国)の中で加盟できていないのは日本だけです。何故日本が加盟できないかというと、TOC条約が義務づけている「重大犯罪の実行合意を犯罪化」する為の国内法整備が出来ていないからです。
東京オリンピックや急速な国際化、増え続ける外国人観光客などに鑑みても、一日も早い法案成立を願うばかりです。