2016/05/01

第44回歴史講演会 開催報告と御礼



 去る4月23日、第44回歴史講演会を成功裡に終えることが出来ました。
 当日は、多くの行事と重なっていたにも関わらず、約50名の方々がご参集下さいました。
 
 昨年は日本トルコ友好125周年の年に当たり、そのきっかけとなった「エルトゥールル号遭難事件」について、岡田幹彦先生より詳しくお話をして頂きました。大島村村民の献身的な救助活動や明治政府による生存者への手厚い保護、本国への送還など、先人達の国籍を超えた人道的対応は誠に素晴らしいものでした。

 特に、市井の青年であった山田寅次郎(宗有)氏は、エルトゥールル号遭難者に同情の念を禁じ得ず、1年かけて5千円(現在の約1億円)の義捐金を集めて、トルコまで届けているのです。その後はトルコ皇帝に請われて日本とトルコの架け橋となり、日土友好親善に大活躍することになりました。こんな素晴らしい日本人がいたことは日本の誇りであり、歴史教育の中でもっと光を当てていくことの必要性を感じました。

 又、「情けは人の為ならず」という言葉がありますが、その言葉どおりの事件がトルコ航空機によるイランイラク戦争時のテヘラン在住日本人215人の救出でした。
「エルトゥールル号遭難事件」は小学校の教科書で教えられているので、トルコ人なら誰でもが知っている歴史でした。そのため、日本の友人森永氏から救助を頼まれた当時のオザル首相は、エルトゥールル号事件の恩に報いるために日本人を優先して助けてくれたのです。しかも、自国の救援機に乗れず車で帰国を余儀なくされた500人のトルコ人は誰一人そのことを非難する人はいなかったのです。歴史教科書に何を載せて何を子供達に教えるのか、歴史教育の大切さを改めて感じた次第です。

 岡田幹彦先生の情熱溢れる講演を拝聴し会場は感動に包まれ、質疑応答の時間では、大学生2名が感想、質問をしてくれました。
 
 閉会式では、「教科書採択に関わる贈収賄問題への取り組みと協力依頼」と「自衛官守る会の署名への協力依頼」について報告がありました。
  更に今回は、今年1月に名取市議会議員に初当選を果たした吉田良氏が司会進行を務めて下さいました。誠に有り難うございました。

 開催につきましては、至らない点も多々有ったかと思いますが、ご容赦下さいませ。お忙しい中、ご参加頂きました皆様に心より感謝申し上げます。