2024/05/21

菅田代表提言 第19回 民主主義の実態

菅田代表提言 第19

 

民主主義の実態



 これまで数回に分けて戦争の歴史について述べ、平和を愛すべき民主主義国の大国が、如何に戦争に深く関わっていたかを解説しました。歴史を学ぶと、民主主義は人々を幸福にしたと言えるのか、疑問に思えてきます。「封建社会は遅れていて、独裁政治は悪い。」と殆どの人が思っているようですがそれは本当なのでしょうか?

完全民主主義欠陥民主主義混合政治体制独裁政治体制

図:世界を見える化するサイトより https://mieluka.com/
 
 江戸時代は、パクス・トクガワーナ(ラテン語で徳川による平和という意味)と呼ばれて平和が250年も続きました。これは世界史的に見て大変珍しい事です。ちなみに縄文時代は1万年以上もの長きに亘り平和だったようです。江戸時代は犯罪も非常に少なく牢屋はいつもガラガラだったと言われています。

 幕末に日本と日米修好通商条約を結んだ、米国人タウンゼントハリスは「日本を開国させて外国の影響を受けさせる事が、果たしてこの人々の普遍的な幸福を増進させる事になるだろうか?」と疑問を呈しています。これは幕末の庶民や武士がたいへん立派で誠実な態度でハリスと接していたからこのような発言になったのです。

 また幕末の武器商人だったグラバーは、武士達に賄賂を渡そうと思っても、受け取って貰えなかったと述懐しております。江戸時代に賄賂を受け取った武士も勿論居ましたが、犯罪が露見すると大概の人は切腹したようです。恥をかくよりも死を選んだのです。

 またこの時代には武士に切り捨て御免の権限がありましたが、殆ど行われませんでした。何故なら武士は抜刀したら必ず相手を斬らなければなりません。威嚇の目的で抜刀する事は認められておらず、抜刀して相手を斬れば切腹してその責任をとらなければなりませんでした。ですから武士は庶民に絡まれるのを極力避けていたのです。武士は特権を持っていてもそれ以上にその責任は重かったのです。

 またこの時代に来日した西洋人は「日本の庶民は貧しいが皆幸せそうだ。そして子供達はみんな楽しそうに遊んでいる。これは他の国では見られない。日本くらい子供を大事にしている国はない。」と、異口同音に述べております。

 今の時代、自由、平等、人権、民主主義が至高の価値のように言われておりますが、日本の年間自殺者数は2万人(1番多い年は3万人)を越え、その内小中高校生の自殺者は400人位で先進国の中ではかなり多い方です。何故人は自殺するのでしょうか、それは連帯感が失われたからです。年功序列を重視した時代は自殺者は今よりかなり少なかったのです。年功序列と能力主義を上手く取り入れていれば、自殺はかなり減らせると私は考えております。今の時代でも封建時代に学ぶ事は沢山あるのではないでしょうか。

次回続きを書きます。              菅田拝