2026/03/06

アンドレ・マルローの予言 その5

 菅田代表提言 第41回

 

アンドレ・マルローの予言 その5


アンドレ・マルロー生誕100年記念出版
「アンドレ・マルローの日本」

  フランス人で文化大臣まで務めた親日家のアンドレ・マルローが「日本が世界を救う」と言い残して亡くなった件についてその理由を掘り下げる第5回、今回で纏めたいと思います。

 

 日本人は主君に対する忠義と、親に対する孝行どちらを上位にするか?それは忠を上位と考えていました。中国は孝の方が上位です。これは、日本人は私的なものより公を優先したという事を意味します。現在の日本人にもまだ残っている精神です。その例を少し上げたいと思います。

 

現在世界中で使用されているQRコード、点字ブロック、世界の電気製品に欠かせないソフトのトロン、駅の改札口で使われている非接触ICカード技術、これらは日本人が開発した技術ですが、特許料を取れば莫大な利益を得る事ができるにもかかわらず、それをやらず技術を社会の為に解放したのです。金銭よりも社会に対する貢献を優先させた日本人らしい行為だと思います。

 

以前ブログに書きましたが、大東亜戦争は自存自衛の為、そしてアジア開放の為に日本人が命をかけて戦ったのですから、技術を開放する位はさほど驚く事は無いと思ったりもしますが、しかし敗戦後のアメリカの日本占領でかなり日本人は洗脳され個人主義的な人が増えましたから、技術の開放はやはり大いに称賛すべきものだと思います。

 

話しが少し横にそれますが、明治の大日本帝国憲法の起草にあたり中心的な役割を担ったのが井上毅(こわし)であります。彼は憲法を起草するにあたり古事記と日本書記を研究しました。そして「シラス」と言う言葉と「ウシハク」と言う言葉がある事に気が付きます。「シラス」とは「知る」からくる言葉で、民が何を求めているかを知って政治をする事です。「ウシハク」とは力で民衆を従わせる政治です。


       井上 毅 (引用:Wikipedia)

 井上毅は、大日本帝国憲法の第一条に「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲシラス」と書きましたが、「シラス」と言う言葉は分かりづらいので、伊藤博文は「シラス」を「統治ス」と書き換えました。しかし伊藤が書いた解説書大日本帝国憲法義解には、「統治はシラスと同じ意味である」と書いております。

 

このように日本は古代よりシラス政治が基礎にあったのだと思います。そして現在の日本人も、シラスと言う言葉は知らずとも、常に相手の事を思いやり行動していると思います。近江商人は「三方良し」(売り手良し、買い手良し、世間良し)の精神で商売をしておりました。アンドレ・マルローは日本を深く研究して、日本人の行動様式を知っていましたから、「日本が世界を救う」と発言したのでしょう。

 

日本を研究した天才的人類学者クロード・レヴィ=ストロースも「悔しいが日本は比類がない」と高く評価しておりました。このように世界から称賛される日本ですが、毎年多くの子供達が自殺しております。それは、日本人が日本の歴史や伝統を知らず、自己肯定感が低いからだと思います。教育現場で誇りある歴史や伝統を教えなければならないと思っております。  

 

菅田拝

 

 

 

 補足説明

島津斉彬公は家臣に「薩摩の国の土地と人民は天子様(天皇)からお預かりしたものだと言う事を忘れてはならない」と訓示しております。

現在の政治家で、「国安かれ民安かれ」と、毎日のように神々に祈りを捧げておられる天皇陛下の大御心(おおみこころ)を思い政治活動をしている政治家がどれだけいるでしょうか。残念ながら極少数だと思います。そもそもシラスと言う言葉を知っている政治家がどれだけいるでしょうか。政治家には、もっと日本の国柄を知って貰いたいと願っております。


クロード・レヴィ=ストロース(1908-2009)

写真:Wikipedia

フランスの社会人類学者、民族学者。フランスの高等教育の最高峰であるコレージュ・ド・フランスにて社会人類学講座を1984年まで担当。国際交流基金の招きで1977年に初来日し、5度ほど来日して講演・シンポジウムや、日本人学者や日本学者らとの交流を行う。日本文化を高く評価する親日家であり、1993年春の外国人叙勲で勲二等旭日重光章が授与されている。