2015/09/11

安保法制に対する最近の動向に思う


     平成27年9月吉日




 
 初秋の候、貴方様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 さて、安保関連法案の審議が大詰めを迎える中、国会の外では安保関連法案阻止を目指す反対派の動きが活発化しています。八月三十日には国会前で抗議集会を開催。主催者発表で十二万人(警察発表三万人)が結集、国会を取り囲み「戦争法案反対!」「憲法9条守れ!」と気勢を揚げました。

  画像を見るとまるで五十五年前の六十年安保闘争を彷彿させるような光景です。あの時も「米国の戦争に巻き込まれる」「安保反対」を叫び十三万人(警察発表)がデモ活動に参加しました。しかし、安保改定で日本が米国の戦争に巻き込まれることはありませんでした。しかも当時全学連中央執行委員だった西部邁氏などは、「安保反対と言って騒いでいた中に安保条約の中身を読んで反対していた人間はろくにいなかった」と公言しています。今回の状況も全く同じであり、野党、マスコミ、左翼護憲勢力のレッテル貼りによって洗脳された一部国民が、安保関連法案の中身をろくに調べず、「戦争法案・憲法違反」などの言葉に踊らされて反対しています。

 しかし問題なのは、この何もわからない国民が彼らのレッテル貼りを真に受け、安保法案=戦争法案、安倍政権=強権政権とのイメージが創られることです。安全保障関連法案は今国会で成立するにしても、その後の憲法改正の実現については更に厳しい戦いが予想されます。何よりも国民投票が必要となる憲法改正については、更に幅広い国民の理解が必要となってきます。その意味で、戦後憲法体制の中で平和ボケした国民意識を如何にして覚醒していくのか、来年の参議院選挙に勝利するためには如何なる運動を進めていけば良いのか等、課題は山積しています。しかしチャンスは今しかありません。安倍政権のこの時に憲法改正を実現し誇りある日本を取り戻すことができるのか。この二年間こそが天下分け目の決戦と言えます。

    
                                   
   平成二十七年九月吉日
                                                      宮城ビジョンの会

                                                        代表世話人 菅田彰人




   

安倍首相談話に思う


         





 初秋の候、貴方様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 さて、安倍総理による終戦七十年談話は、村山談話を踏襲しつつも村山談話を書き換えて、これまでの謝罪に終止符を宣言する画期的な談話となりました。七十年談話は早くからその内容が注目され、マスコミや野党、中韓両国も村山談話の踏襲を繰り返し主張していました。

 マスコミなどは、村山談話に入っている「侵略」「植民地支配」「反省」「お詫び」の四つの言葉をキーワードとして指定するなど、お前達は一体何様のつもりかと思うような評価基準まで作り、万一この言葉が入ってなければ安倍総理の足を引っ張るつもりで虎視眈々と待ち構えていたのです。

 しかしご承知のとおり、八月十四日、安倍総理は全国国民が注視する中、原稿を棒読みすることなく、三千四百二十三字の談話を堂々と発表しました。その中には、「侵略」「植民地支配」「反省」「お詫び」の四つのキーワードが入りましたが、内容は村山談話のような大東亜戦争を侵略戦争と断定して謝罪するものではなく、歴代内閣が表明した気持ちを引き継ぐとしつつも、日露戦争が植民地支配にあったアジア、アフリカの人々を勇気づけたこと、戦後の日本はアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻みつつ一貫して平和と繁栄に貢献してきたこと、そして、旧敵国として戦った米国、英国、オーストラリア、欧州各国の善意に支えられて復興が遂げられたことに感謝し、更に「私たちの子や孫に、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と、今回で謝罪に終止符を打つことも忘れませんでした。

 今回の談話に物足りなさを感じていらっしゃる方もいるかもしれませんが、もし四つのキーワードを入れて無ければ、朝日を始めとする偏向マスコミは反安倍キャンペーンを展開していただろうし、中国韓国、米国からも「謝罪」と「反省」を求める抗議が起こり、安倍政権が窮地に立たされ安保関連法案の審議にも影響を与えていたことは想像に難くありません。

 事実、今回の談話に対して米国を始めとする国々は談話を歓迎し、インドネシア、オーストラリアも高く評価しました。中国や韓国は「物足りない部分が少なくない(朴槿恵大統領)」としつつも抑制的な反応に止まっています。一番ダメージを受けたのは朝日新聞で、翌日の社説に「この談話は出す必要がなかった。いや、出すべきではなかった。改めて強くそう思う。」と、ショックを隠しませんでした。つまり、反日勢力に付け入る隙を与えず、且つ村山談話とは一線を画する内容にし、更には謝罪外交に終止符を打つ宣言を盛り込んだのが今回の「安倍談話」であったと言えます。

 とは言え、本来ならば終戦七十年の総理大臣談話は、わが国存亡の危機に際し身を賭して敵国と戦い、尊い生命を祖国に捧げられた幾百万の御英霊に対する感謝と哀悼の言葉でなければなりません。もちろん安倍総理もその事を誰よりも痛切に感じ、そうしたいと願ったに違いありません。
その意味では、十年後の終戦八十年には日本の総理が御英霊に対し堂々と感謝と哀悼の誠を捧げる、そんな日本にしていきたいと念願する次第です。

 そのためにも、一人でも多くの国民に大東亜戦争=侵略戦争という誤った東京裁判史観から脱却し、欧米植民地支配から有色民族を解放し、人種差別に終止符を打った大東亜戦争の世界史的意義を理解してもらうために、来る十一月三日(火・祝)「第四十三回歴史講演会」を開催致します。
 末筆ながら、貴方様の益々のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。
                                   敬具
    平成二十七年九月吉日
                                           宮城ビジョンの会
                                                        代表世話人 菅田彰人

宮城県教育委員会教科書採択に思う


  



謹啓 

 実りの秋を迎え、貴方様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 さて、八月二十日、宮城県教育委員会は来年度から使用する中学校歴史教科書に、「育鵬社」の教科書を採択しました。来年度から県立の中高一貫校である仙台二華中と古川黎明中の二校で使用するもので、高橋仁教育長は採択理由を「自国に誇りを持てる内容に加え、多くの歴史的人物が取り上げられている」ことを挙げました。

 今回県教委は、歴史、公民については学習指導要領に基づき、テーマ別に各教科書会社の記載内容や分量を比較対照した「別冊資料」を作成し、歴史上の人物数では育鵬社が一番多かったことも採択理由となりました。県教委が選定資料を作成したことは教科書採択に透明性を与える画期的な取り組みと言えます。

 これは「つくる会宮城県支部」が、各社の教科書を点数化した選定資料の作成を求める請願を県議会に提出し、県議会で請願を採択したことが最大の理由であり、つくる会、県議会の努力の成果だと言えます。

 問題は市町村教委です。県教委は今回の選定資料を各市町村教委にも配付し説明をしています。今年度から市町村教委にも努力義務とは言え教科書採択の理由公表が求められるからです。

 にも関わらず、県内八採択地区では今回も歴史は仙台市が帝国書院、他地区は東京書籍。公民は全て東京書籍でした。何故「帝国」や「東書」なのか。八採択地区の市町村教委は当然説明責任を果たすべきだとわれわれは考えます。


                           宮城ビジョンの会
                                                        代表世話人 菅田彰人