初秋の候、貴方様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、安倍総理による終戦七十年談話は、村山談話を踏襲しつつも村山談話を書き換えて、これまでの謝罪に終止符を宣言する画期的な談話となりました。七十年談話は早くからその内容が注目され、マスコミや野党、中韓両国も村山談話の踏襲を繰り返し主張していました。
マスコミなどは、村山談話に入っている「侵略」「植民地支配」「反省」「お詫び」の四つの言葉をキーワードとして指定するなど、お前達は一体何様のつもりかと思うような評価基準まで作り、万一この言葉が入ってなければ安倍総理の足を引っ張るつもりで虎視眈々と待ち構えていたのです。
しかしご承知のとおり、八月十四日、安倍総理は全国国民が注視する中、原稿を棒読みすることなく、三千四百二十三字の談話を堂々と発表しました。その中には、「侵略」「植民地支配」「反省」「お詫び」の四つのキーワードが入りましたが、内容は村山談話のような大東亜戦争を侵略戦争と断定して謝罪するものではなく、歴代内閣が表明した気持ちを引き継ぐとしつつも、日露戦争が植民地支配にあったアジア、アフリカの人々を勇気づけたこと、戦後の日本はアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻みつつ一貫して平和と繁栄に貢献してきたこと、そして、旧敵国として戦った米国、英国、オーストラリア、欧州各国の善意に支えられて復興が遂げられたことに感謝し、更に「私たちの子や孫に、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と、今回で謝罪に終止符を打つことも忘れませんでした。
今回の談話に物足りなさを感じていらっしゃる方もいるかもしれませんが、もし四つのキーワードを入れて無ければ、朝日を始めとする偏向マスコミは反安倍キャンペーンを展開していただろうし、中国韓国、米国からも「謝罪」と「反省」を求める抗議が起こり、安倍政権が窮地に立たされ安保関連法案の審議にも影響を与えていたことは想像に難くありません。
事実、今回の談話に対して米国を始めとする国々は談話を歓迎し、インドネシア、オーストラリアも高く評価しました。中国や韓国は「物足りない部分が少なくない(朴槿恵大統領)」としつつも抑制的な反応に止まっています。一番ダメージを受けたのは朝日新聞で、翌日の社説に「この談話は出す必要がなかった。いや、出すべきではなかった。改めて強くそう思う。」と、ショックを隠しませんでした。つまり、反日勢力に付け入る隙を与えず、且つ村山談話とは一線を画する内容にし、更には謝罪外交に終止符を打つ宣言を盛り込んだのが今回の「安倍談話」であったと言えます。
とは言え、本来ならば終戦七十年の総理大臣談話は、わが国存亡の危機に際し身を賭して敵国と戦い、尊い生命を祖国に捧げられた幾百万の御英霊に対する感謝と哀悼の言葉でなければなりません。もちろん安倍総理もその事を誰よりも痛切に感じ、そうしたいと願ったに違いありません。
その意味では、十年後の終戦八十年には日本の総理が御英霊に対し堂々と感謝と哀悼の誠を捧げる、そんな日本にしていきたいと念願する次第です。
そのためにも、一人でも多くの国民に大東亜戦争=侵略戦争という誤った東京裁判史観から脱却し、欧米植民地支配から有色民族を解放し、人種差別に終止符を打った大東亜戦争の世界史的意義を理解してもらうために、来る十一月三日(火・祝)「第四十三回歴史講演会」を開催致します。
末筆ながら、貴方様の益々のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。
敬具
平成二十七年九月吉日
宮城ビジョンの会
代表世話人 菅田彰人